会いたいんだってば
私が見ているものは、夢とか愛じゃない、現実なの。 父を亡くし、進学も夢も諦めて冷淡に日々を過ごすJKのサキ。ある暗い夜、自転車が故障し立ち往生する彼女の前にひとり、四十がらみの男が現れる。変態かも恐れるサキだったが、善意...
私が見ているものは、夢とか愛じゃない、現実なの。 父を亡くし、進学も夢も諦めて冷淡に日々を過ごすJKのサキ。ある暗い夜、自転車が故障し立ち往生する彼女の前にひとり、四十がらみの男が現れる。変態かも恐れるサキだったが、善意...
引っ越してきたんだよ。俺の部屋の隣に、可愛い子が。 レンタル店をクビになったツトムの前に現れたのは、仏女優のような妖艶美貌の隣人・ハフリだった。彼女の部屋で「G」を素手で握り潰した瞬間、ツトムの運命が激変する。己の根性を...
家に帰って、ノートを開いた。 三年間、ずっと私のことを「フジコ」と呼んでいたトモくん。 芸術コースの彼はいつも、教科書への落書きで私を笑わせてくれた。「俺、漫画家になりたい」そう笑っていた彼が、卒業を前に突然の転校。 ...
四年前、私は、借金で首が回らなくなっていた。前夫の多重債務だった。 「左手薬指のサイズはいくつなの?」 幸せの絶頂にいたはずだった。借金苦から自分を売る決断をした私を、泥沼の過去から私を救い出してくれたのは、誰よりも...
ユキ、お前、俺のこと好きなの?俺の鼓動がそう叫んでる。 三十年ぶりに戻った故郷、父の葬儀でマコトが手にしたものは、かつて野球と共に捨てたはずの「赤いグローブ」だった。後悔を抱え歩く土手道、冷たい川風の中で、かつての憧れ...
「私、あなたの言うことに全て従います…どうか何も聞かずに、あなたの帰るところへ私を置いてくださいませんか…?」 幸せとは言えない人生を生きてきた、無口で不器用な青年マナブ。ある日、過去を語らない謎めいた美女サヨと出会い、...
「あ、時計さん、起きちゃった、パパ、止めてあげて、朝になっちゃったね」 さびしそうに、残念そうに。小犬の縫いぐるみを自分に向かい合わせて、ワンワンの目を、ジッと見る。 実の娘のように愛した姪を失ったナオキは、ある日、仕...
「のんびり就活してんじゃねーよ」言われてもいない言葉が胸を通り突き抜けていった。娘の声で。 四十二歳、妻子あり。仕事の失敗ですべてを失い、鬱に沈んだ男。再起の職場で出会った若い女性・ハルの存在が、止まっていた心を少しずつ...
私は貧乏。年収百四十四万円、賞与なし。いわゆるの貧困女子。 派遣栄養士として産婦人科で働く二十五歳の静香は、貧困と呼ばれる側の人間。仕事とアパートを往復するだけの冬の日々に、食材配達の男・菊名氏が現れる。朝の挨拶、些細...
キス、あと百回したかったよ… 就職浪人のケンは、コンビニのレジで高校時代の憧れだったシオリと再会する。学生時代の傷を抱え、世界から隠れるように生きる彼女。就職を果たし、社会に参加したいともがく彼。ふたりの静かな恋は、仕事...