パーティの混雑を避けて、店の奥、壁面カウンター席から、俺は、あの娘を盗みみた。ウーちゃん。ウツキという名、美貌のひと。
仕事漬けのエンジニア・シンイチは、行きつけのバーで「ウーちゃん」と呼ばれる圧倒的な美貌の女性・卯月と出会う。奔放に見えて、男の本性を見抜く鋭い知性を持つ彼女。アパレル業界のパーティの夜、チークタイムの甘い調べの中で二人の距離は急速に縮まっていく。「女の子は全部わかっちゃうんだよ」――彼女の誘惑的な言葉と香りに翻弄されながら、シンイチは欲望のままに愛を囁く。
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パーティの混雑を避けて
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パーティの混雑を避けて、店の奥、壁面カウンター席から、俺は、あの娘を盗みみた。
ウーちゃん。
ウツキという名、美貌のひと。
彼女は、高めのチェアに腰掛け、足おきにヒールの踵をひっかけて、炭酸っぽいのを飲んでいる。ときどき視線がぶつかっては、大きな瞳が何かを語りかけてくる。
彼女と知り合ったのは、まだ最近のことだ。このバーで、だった。職場の近くにあるから、俺はしょっちゅう来てる。顔見知りも多い。ひとりでふらっと立ち寄っても退屈しない。
その日、残業で遅くなった。疲れてる。終電間際だけど、どうしてもいっぱい飲みたい気分に駆られた。
明日、午前中の予定は軽かったよなあ。今夜はTAXIればいいや。今月、残業代が、結構入るハズ。
そう自分を説得して、店に向かった。
「よぉ、シンちゃん、いらっしゃい、いつもので?」
マスターは笑って、俺にハイボールを差し出しながら、無精ヒゲを生やしたアゴをしゃくって、視線をうながす。
「あッ、そうだ、紹介するわ、彼女さ、ウーちゃん、ケンの知り合いなんだって」
「あ、シンイチです」
「ウツキです」
「えッ?」
息をのんだ。
美しい人だった。長い髪、長いまつ毛、長いまゆげ、スッキリと立ち上がった額、そして、大きな瞳。一瞬で、魂をつかまれた。彼女は、まつ毛を瞬かせながら俺をみて、聞いた。
「ケンさんのお知り合い、なんですか?」
ケンというのは、この店の常連の一人で、何をやってる奴なのかは、俺も知らない。三十歳前の同年代で、好きな音楽の話で意気投合して以来、店で顔を合わせれば、話すようになった。
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