パーティの混雑を避けて

 パーティの混雑を避けて、店の奥、壁面カウンター席から、俺は、あの娘を盗みみた。ウーちゃん。ウツキという名、美貌のひと。

仕事漬けのエンジニア・シンイチは、行きつけのバーで「ウーちゃん」と呼ばれる圧倒的な美貌の女性・卯月と出会う。奔放に見えて、男の本性を見抜く鋭い知性を持つ彼女。アパレル業界のパーティの夜、チークタイムの甘い調べの中で二人の距離は急速に縮まっていく。「女の子は全部わかっちゃうんだよ」――彼女の誘惑的な言葉と香りに翻弄されながら、シンイチは欲望のままに愛を囁く。

#エモチックロマンス
#パーティの混雑を避けて
#広ヒロスケ

パーティの混雑を避けて©︎広ヒロスケ Amazon Kindleストア99円 Kindle Unlimited対応

パーティの混雑を避けて
Amazon Kindleストア99円 Kindle Unlimited対応

サンプルページ

左にスライドさせて読み進めてください

 パーティの混雑を避けて、店の奥、壁面カウンター席から、俺は、あの娘を盗みみた。

 ウーちゃん。

 ウツキという名、美貌のひと。

 彼女は、高めのチェアに腰掛け、足おきにヒールの踵をひっかけて、炭酸っぽいのを飲んでいる。ときどき視線がぶつかっては、大きな瞳が何かを語りかけてくる。

 彼女と知り合ったのは、まだ最近のことだ。このバーで、だった。職場の近くにあるから、俺はしょっちゅう来てる。顔見知りも多い。ひとりでふらっと立ち寄っても退屈しない。

 その日、残業で遅くなった。疲れてる。終電間際だけど、どうしてもいっぱい飲みたい気分に駆られた。

 明日、午前中の予定は軽かったよなあ。今夜はTAXIればいいや。今月、残業代が、結構入るハズ。

 そう自分を説得して、店に向かった。

「よぉ、シンちゃん、いらっしゃい、いつもので?」

 マスターは笑って、俺にハイボールを差し出しながら、無精ヒゲを生やしたアゴをしゃくって、視線をうながす。

「あッ、そうだ、紹介するわ、彼女さ、ウーちゃん、ケンの知り合いなんだって」

「あ、シンイチです」

「ウツキです」

「えッ?」

 息をのんだ。

 美しい人だった。長い髪、長いまつ毛、長いまゆげ、スッキリと立ち上がった額、そして、大きな瞳。一瞬で、魂をつかまれた。彼女は、まつ毛を瞬かせながら俺をみて、聞いた。

「ケンさんのお知り合い、なんですか?」

 ケンというのは、この店の常連の一人で、何をやってる奴なのかは、俺も知らない。三十歳前の同年代で、好きな音楽の話で意気投合して以来、店で顔を合わせれば、話すようになった。


全編を読む

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です